5. 第1回公判
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ことりの傍聴メモ
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本8日午前10時より,東京地方裁判所第528号法廷にて,業務上過失致死被告事件「平成14年刑(わ)第856号等」の第一回公判が開かれました。被告人は佐藤要悟(佐藤病院院長)と須田浩充(同外科医長),裁判官は杉山眞治裁判長ほか2名です。
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被告人は罪状を否認し,病院での処置と死亡との因果関係を否定,検察側が提出した証拠の多くについても不同意,調書の任意性についても争うということで,裁判はかなり長期にわたる見込みです。
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とりあえず起訴状と,検察側冒頭陳述を聞いた限りでは,「ひどくずさんな手術,そして術後管理だった」という印象です。腹腔鏡下胆嚢摘出術の概要については,以下のページなどが参考になります。
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http://www.johsai-hp.city.nagoya.jp/geka/geka-bunsyou/tannou.html
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本件では,手術中に下大静脈を傷つけ,出血が多量にあったため腹腔鏡下での摘出を断念し,開腹手術に切り替えたそうです。しかしながら胆嚢の炎症がひどく肝臓との癒着もあり,出血下で視野不良の状態で手術を続行したようです。そして(検察側主張によれば)誤って総肝管・総胆管を切断してしまった,ということです。
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手術ですから予想外の事態もあるだろうし,ミスも皆無というわけにはいかないことは理解できますが,問題はさらにこの後です。手術後,その日のうちから,体液を排出するためのドレーンから胆汁を含むと思われる排液があったそうです。手術が上記のような経過で,とても順調とはいえなかったことから考えて,直ちに精密な検査を行い,手厚い管理を行うべきではなかったのかと思うのです。しかし実際には,その後6日間にもわたって「とくに異常とは考えず,経過観察を継続した」ということなのです。結局,家族が病院側の対応に不信感を抱き,自主的に転院して,再手術ということになったそうです。しかし,結果的には手遅れとなってしまいました。
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今後の審理によってまた話が変わる可能性もありますが,どうもこれは「医師が手術に失敗し,しかも適切な対応をとらず,そのうえ責任を認めようとしない」 という最悪の図式のようです。ひどい。
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Last Updated:
23 July 2002 |
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