3. 捜査始まる |
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以下の記事は,2001/2/22の産経新聞夕刊(東京)に掲載されたものです。 | |
医療ミス?36歳男性死亡 胆のう手術時に総胆管切断か 転院、再手術で発覚 |
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東京都荒川区の佐藤病院(佐藤要悟院長)で昨年十二月、腹痛を訴えて入院した男性患者(三六)が胆のう摘出手術を受けた後に容体が急変、転院先の大学病院が再手術したところ、関係のない部分が切られて縫合され、腹内に胆汁が流出していたことが、二十二日明らかになった。男性は最初の手術から約二カ月後に死亡しており、届け出を受けた警視庁尾久署では、佐藤病院で行った手術で何らかの不手際があったとみて、男性を司法解剖し、業務上過失致死容疑で捜査を始めた。
死亡したのは、東京都豊島区の男性会社員(三六)。同署の調べや関係者の話によると、男性は腹痛のため昨年十二月中旬に佐藤病院に入院。胆のう炎と診断され、胆汁を蓄える胆のうの摘出手術を受けた。 しかし、術後も腹痛がおさまらず容体が悪化、男性は昨年末に都内の大学病院に転院した。緊急手術を行ったところ、胆のうから十二指腸につながる総胆管が途中で切れ、縫合されていたことがわかった。 肝臓と十二指腸は管でつながっており、途中に胆のうがついている。脂肪の消化を助ける酵素を含む胆汁は肝臓で生産され、十二指腸に流されるが、胆のうが胆汁を蓄える役割を担っている。管のうち、胆のうと十二指腸を結ぶ部分が総胆管と呼ばれる。 医療関係者の話によると、一般的には、胆のうだけを切除し、総胆管は、そのまま残すのが普通だという。 男性の腹部には胆汁が流出してたまっていたが、尾久署では、総胆管が切られ、縫合も十分でなかったために、胆汁が管外に流出した疑いがあるとみている。 男性は今月九日に死亡。大学病院から届け出を受けた尾久署では業務上過失致死容疑で男性を司法解剖して死因を調べており、総胆管の切断・縫合と死因との関連を追及する。また佐藤病院や大学病院からカルテの提出を受け、当時の担当医師ら関係者から話を聴くなどして捜査している。 佐藤病院の平野勝久事務長は、「現時点でコメントできない。司法解剖の結果を待ちたい」と話している。 |
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(本記事の著作権は産経新聞社に帰属します) |
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「東京都豊島区の男性会社員」としか記述がありませんでしたが,符合する点が多いことから,ことりがさる消息筋に依頼して調査してもらったところ,やはり谷原氏であることが判明しました。
記事中,「管のうち、胆のうと十二指腸を結ぶ部分が総胆管と呼ばれる」という記述がありますが,正確には「肝臓と十二指腸を結ぶ管のうち,途中から胆のう管が分かれて胆のうにつながっている部分を境にして,肝臓から胆のう管分岐部までを総肝管,胆のう管分岐部から十二指腸までを総胆管という」です。 また,「一般的には、胆のうだけを切除し、総胆管は、そのまま残すのが普通」という部分はその通りです。奇形などがない場合の一般的な術式は「胆のう動脈と胆のう管を結紮して切り離し,胆のうを肝臓の肝床より剥離して(くっついているため),遊離した胆のうを体外に取り出す」というものです。 本件のように総胆管を途中で切断してしまえば,肝臓でつくられる胆汁が十二指腸まで流れる道を途絶させたことになります。肝臓では毎日800cc程度の胆汁をつくっていますから,当然切り口から胆汁が腹腔内に漏れ出します。漏れた場合,胆汁は強アルカリ性の液体なので,腹腔内の臓器が冒されてやけどのような状態になってしまいます。これによって胆汁性腹膜炎を起こし,放置すれば数日で重篤な状態となり,やがて敗血症に至り死亡します。 |
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Last Updated: 20 November 2002 | |
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