2. 手術とその後の経過

以下の内容は,起訴状,および第1回公判(2002/7/8)での検察側冒頭陳述に基づいて
ことりが書いたものです。被告人側では否認している部分もあります。
2000年12月21日(月)14:00〜 腹腔鏡下胆のう摘出手術を開始

腹腔鏡下胆のう摘出は,現在広く行われている方法である。この手術については

などが参考になる。

この術式は,モニタに映った画像を見ながら行うため,医師の技術が未熟であったり患部の状態が悪かったりすると,順調に進まない場合がある。谷原氏の場合も,手術中にトロッカー(体内に挿入した円筒状の器具)で下大静脈を傷つけ,出血を起こしてしまった。

出血によってモニタの映像が不良になり,腹腔鏡下で手術を続行することが困難となったため,開腹手術に切り替えた。開いてみると大出血状態で,胆のう,肝臓が癒着している。この癒着をはがし,胆のう管を切断して,胆のうを摘出するのである。

ところが,視野不良の中,不注意にも胆のう管と間違えて,総胆管と総肝管を切断してしまい,しかもそれに気づかず,縫合もせずに処置を終えてしまったのである。こうして,順調ならば1時間程度で終わるはずのところを3時間かけ,手術は終了した。

2000年12月21日(月)〜27日(日) 術後管理
手術当日から7日間にわたり,留置されたドレーン(腹腔内から体外へ引き出した管)から,一日平均200mlの胆汁の漏出があった(被告人側は「そのすべてが胆汁であったとは思わない」と主張している)。

前述のように,手術自体は必ずしも順調ではなかった。出血などの悪条件もあった。加えて,胆汁を含むと思われる体液の漏出があるのだから,専門家としての医師としては当然,通常以上の注意をはらって患者の状態を観察し,速やかに精密な検査を行うべきではなかっただろうか?

だが,何ら対応はとられることなく,日が過ぎていった(この間,佐藤院長は旅行に行っていた,という指摘もある)。27日になってようやく,ERCP(口から腸を通して胆管の開口部までファイバースコープを入れ,中から様子を見ると共に,造影剤を注入してX線撮影を行う検査)が必要だという判断になった。

しかし,既に病院側の対応に不信感を抱いていた家族は,佐藤病院での検査を待たず,翌28日に日本医科大学付属病院に転院することにした。

2000年12月29日(火) 再手術

転院先では翌29日,再度の開腹手術を行った。ここで,総胆管と総肝管が切断されたまま結紮されていないことが判明した。

2001年1月24日(水) 再手術

腸閉塞を起こしたため,3回目の手術を行った。

2001年2月9日(金) 死亡

16:40,胆汁性腹膜炎・腸閉塞・多臓器不全のため死亡(被告人側は「転院先での院内感染が原因ではないかと思う」と主張している)。

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あっ,差が,おお。Last Updated: 19 July 2002
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